インターネットと通して、傷ついた人の心を癒す“包帯クラブ”。メンバーのディノ、ワラ、タンシオ、ギモ、リスキは、HPに投稿された出来事から、その人が傷ついた場所に包帯巻き、それをデジカメで撮影し、投稿者に送る…という活動をしていた。なんとなく毎日を過ごしていたワラたちは、クラブの活動が盛り上がるに従って、何もない日々が潤い、自身も癒されていた。そんなときHPに中傷メッセージが書き込まれ、それは日に日に増えていく…。
天童荒太原作の同名小説を『明日の記憶』やTVドラマ『トリック』などの堤幸彦が映画化。クラブのメンバーが人の心の傷を知ることで、やさしさや思いやりに目覚め、なおかつ、それぞれがモヤモヤした悩みを仲間とともに一蹴し、殻を破って前進しようとする姿を描いた青春映画の快作。謎めいたディノを演じた柳楽優弥の奔放な個性がスクリーンを躍動。ダイナミックな動きと微妙な表現力でその魅力を爆発させ、最高のパフォーマンスを見せる。将来に希望を持てなかったけれど、クラブの仲間との出会いと経験を通して変化の兆しを見せるワラを演じた石原さとみもイキイキとしてチャーミングだ。堤監督の演出も、いまどきの若者に心理を綴った脚本も的確で、すがすがしい作品になった。(斎藤香)
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柳楽優弥が豪快!心にズンと響く秀作 |
包帯が世界を救う。面白い発想だし、心が洗われるなあ。堤監督の作風は「明日への記憶」あたりから少し変わってきた気がする。今回もトリッキーな演出は一切影をひそめ、かといって岩井俊二や長澤雅彦とは違う絵づくりをしており、本当に多才な監督だとあらためて感心してしまう。役者の演技もピタリとはまっていたが、何といっても柳楽優弥の豪快さに圧倒された。石原さとみ、貫地谷しほり、関めぐみ、田中圭ら他のクラブ員はある意味いつもの役柄をふくらませたもので、みな好演であったが、柳楽はだらしない服装、ヘンな関西弁、ヘンな行動、どこをとっても今まで観たことのない演技で、柳楽がいなかったらもっと普通の青春映画で終わっていただろう。特に高層マンション(実際は市役所)の屋上を包帯で巻いて、そこから豪快に雄叫びをあげる柳楽の存在感は、最近の日本映画界の男優にないカッコよさであった。田中圭ではないが、思わず惚れてしまうくらいの力技。やっぱりタランティーノの眼は間違ってなかったんだなあ、と実感させられる。近年の邦画界の隆盛は偶然ではない。2000年以降くらいから、この国にも本当に凄い役者が増えてきた。昔は珍しかったハリウッドメジャーへの出演も、今では普通の出来事になっている。1週間先の台本が決まっていないTVドラマに馴れた俳優が、隆盛する映画への出演が多くなるにつれて、脚本を十分認識した上で役作りの楽しさを理解してきたことが大きいだろう。本作をありがちな青春ストーリーだろう、と思っている方は、だまされたと思ってぜひ観てほしい。自分の弱いところにも包帯を巻いてほしくなる秀作である。
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あるべき思いやり☆ |
包帯を撒くという行為を通して、再生や変化を描く物語です。
包帯を巻くということ自体に何かがあるわけではありませんが、あるいはそのレベルの中にこそ意味があるということを描きたかったのかもしれません。
生きるということは誰かに汚されることもあるし、誰かを汚すこともあります。
障壁してしまうこともありますが、本来は世の中の全ての人がある種の包帯を必要とし、結局は与える与えられる中でこそ、人は人であるのだと思います。
与える与えられることに差はないし、誰もが包帯クラブであり、それを求める人とも言える部分もあるでしょう。
もちろん完璧ではありませんが、転んでいく中で持ちうれるものは少なくありません。
そういったテーマ性自体は嫌いじゃないんですが、
ただ何かと全部説明しているような冗長的なところがあるせいか、傷や冗談ぶるあたりとかがいかにもなせいかどうかわからないけど、全体的にかったるく感じてしまうところが少なくありましたでした。
個人的には多少話を聞かされてるような感じになってたかと。。
ただその中で役者の熱演、特に主演の二人は印象的でよかったと思います。
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万人受けはしないけど、みんなに観て欲しい |
どこにでもあるような映画かなぁと思って観てましたが、ストーリーが進むにつれ色々考えさせられたりして、なかなか新鮮な映画でした。人の痛みを分かち合うことは簡単なようで難しい。偽善者になることならいつでも出来るけど、本当に善い人になるってのは覚悟がいるんだろうな、なんて思いました。
役者陣はたしかに高校生役に無理ある方もいらっしゃいましたが、なかなかのハマり役ではないかと。最初は違和感のあった柳楽優弥のぎこちない関西弁も映画が終わる頃には慣れてました。
観て損はない映画ですが、こういうのが嫌いな人もいるかもしれません。
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包帯一本で世界が変わったらめっけもんや! |
最近、見た邦画では断トツに良い作品です。多くの方に見ていただきたいと思える映画です。
エンドロール後の映像について
個人的には不要かと…ワラの質問への回答なんでしょうか?せっかく素敵なラストカットで終わっているのに急に安っぽく感じてしまいます。
しかし、それを差し引いてもいい作品です。
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ウエルメイドな青春映画 |
お笑い系、シリアス系のどちらもこなす堤幸彦監督が、前作はお笑い系だったからか、本作はシリアスな青春映画となっています。
さて、根本的な問題として、包帯を巻くことで癒されるか??? ということがありますが、そのあたりは疑問符がいくつも付きそうだけれど、納得するしかありません。(苦笑) そこさえクリアできれば、けっこうウエルメイドな現代的な青春映画として楽しむことができます。甘いだけではなく、苦味もある。
「包帯クラブ」のメンバーもその友達も、それぞれ胸のうちにつらい過去と現在を抱えている。だが「包帯クラブ」の活動をすることによって仲間意識が生まれ、やや反体制的な部分やスリルもあって彼らは「包帯クラブ」に夢中になっていく。ところが、ネット上で誹謗中傷の声が高まり、活動も中断に追い込まれていく...。
ディノを演じた柳楽優弥が、エキセントリックな役柄を上手く演じてみせた。ワラを演じた石原さとみも、等身大に近い女子高生を好演していた。そのほか、ワルぶっているリスキの佐藤千亜妃もはまっていたように思う。ただ、関めぐみが高校生役、というのもやや無理があるかな。貫地谷しほりは天然ボケで観客の笑いを誘ってたし、高校生役はかろうじてOKとします。(笑)
脚本が出しゃばらず、等身大で主人公たちを描こうとしたところや、無音を効果的に活かし、映像にメリハリをつけた堤幸彦の演出は上手いです。反面、ハンバートハンバートというデュエットのコーラスそのものは美しいのだが、BGMとしての使い方が表に出すぎて鬱陶しく感じた。
町中に包帯を巻く様子は、まるで何かのアートを見るようで画になるし面白い。特に、クライマックスは映画的興奮に満ちていながら映像的美しさもあったね。
あと、エンドロールのあとにワンシーンあるので、最後まで観て下さい。



