インターネットと通して、傷ついた人の心を癒す“包帯クラブ”。メンバーのディノ、ワラ、タンシオ、ギモ、リスキは、HPに投稿された出来事から、その人が傷ついた場所に包帯巻き、それをデジカメで撮影し、投稿者に送る…という活動をしていた。なんとなく毎日を過ごしていたワラたちは、クラブの活動が盛り上がるに従って、何もない日々が潤い、自身も癒されていた。そんなときHPに中傷メッセージが書き込まれ、それは日に日に増えていく…。
天童荒太原作の同名小説を『明日の記憶』やTVドラマ『トリック』などの堤幸彦が映画化。クラブのメンバーが人の心の傷を知ることで、やさしさや思いやりに目覚め、なおかつ、それぞれがモヤモヤした悩みを仲間とともに一蹴し、殻を破って前進しようとする姿を描いた青春映画の快作。謎めいたディノを演じた柳楽優弥の奔放な個性がスクリーンを躍動。ダイナミックな動きと微妙な表現力でその魅力を爆発させ、最高のパフォーマンスを見せる。将来に希望を持てなかったけれど、クラブの仲間との出会いと経験を通して変化の兆しを見せるワラを演じた石原さとみもイキイキとしてチャーミングだ。堤監督の演出も、いまどきの若者に心理を綴った脚本も的確で、すがすがしい作品になった。(斎藤香)
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めっけもんじゃ ないでしょうか・・・ |
今から35年前。
僕たち学生は世の中は変えるものだ。
そして、僕たちは変えることができる。。
そう思っていた。
東大紛争や、あさま山荘事件。成田闘争
いろいろな事件がおきた中、僕たちの仲間の何人かは
そんな闘争のまっただ中にいた。
そして、ぼくはと言えば、理科系の性。
毎日実験に追いまくられ、まーじゃんをしている友達の
代返をして、授業が終わると、飲みに行き語り明かし
夜通し麻雀に明け暮れた。
「赤ちょうちん」「神田川」の時代。
貧乏が将来の夢の糧となることを信じていた時代。
そこには、矛盾と混乱の中、なんとかもがく気持ちが
うずまいていた。
そして今、ぼくたちの子供のとき・・
僕たちの世代は平和を生んだ。
ただ、見せかけの秩序と飽食の世界は作ることができたが、僕たちの作った時代には、さらに大きな問題がある。 これは僕たちが願ったものではない。
まだ何かが足らない。
こころのつながりや、互いの思いやりをもった真の人間世界を作るにはまだ本当にほど遠い。
「包帯を巻いたくらいで・・何ができるの・・」と誰かが言う。
「包帯を巻いたくらいで、誰かが・・誰かのこころが・・一瞬でも癒されるなら・・」「めっけもんじゃないか」と・・答える。
僕は、最初の包帯が鉄柱に巻きつけられたのを見たとき、図らずも胸が締め付けられるのを覚えた。
包帯は人の傷をいやす道具。 鉄柱に巻きつけられた包帯は、人の心をいやすのだと・・そう思った。
僕たちが作ったこの世の中で育った彼らは・・・
もうすでに いま何が必要かを悟っているのだ。
包帯はその象徴。
彼らが大人になって、その子供の時代になったとき・・
彼らが必要と願った包帯を心に抱いた子供たちが
育っていってほしい。
この映画の中で、包帯を巻いたものを見るたびに心が熱くなる。
こんな包帯一つで・・こんな包帯一つだからこそ
世の中を変えることの力を秘めているような気がする。
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風にゆれる包帯の純白が心にしみる |
「東京タワー」と比べて決して見劣りする作品ではありません。しかし,本作は日本アカデミー賞にノミネートすらされていません。役者たちが若者だからでしょうか? ストーリーや演出がまずかったのでしょうか? いやいや,そんなことはありません。
本作の原作は「家族狩り」で山本周五郎賞,「永遠の仔」で日本推理作家協会賞を受賞した天童荒太が,7年ぶりに書き下ろした小説で,ストーリー性は文句なしですし,メガホンも「明日の記憶」の堤幸彦監督が握ったわけですからこれも文句なし,さすれば,配給会社の広報不足ということになりますかね。
こんな良作を眠らせておくから“日本映画衰退”なんていわれるのだと思います。
心に傷を負った人々を癒すため,依頼の場所に包帯を巻き,写真をメールで送るという奇行をする高校生グループ“包帯クラブ”を柳楽優弥,石原さとみ,田中圭らが好演。「ちりとてちん」の貫地谷しほりも印象的です。
体の傷を巻く包帯が心の傷に巻かれていくのです。
人の悲しみをわかることで自分たちそれぞれの傷に向き合っていきます。
見終えると,心が豊かになったような気分になれる,とてもいい映画です。
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柳楽くんいいね |
「誰も知らない」から、いまひとつの柳楽くん。この映画で、変わりましたね。
大人になった感じでいいですね。
高所恐怖症の私は、ビル最上部(ヘリポート)のシーンがおまたヒューン状態でした。
素直に、他人の気持ちが解るとはどういうことか。若い人に考えてもらえる映画です。
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社会派青春物語 |
青春群像といえば、恋愛、友情 成長、ガンバリズム、不可逆性のノスタルジーがテーマになるのが定番だ。『包帯クラブ』は、これらを踏襲しつつも、巷間のルサンチマンとカタルシスを焦点化した秀作である。堤幸彦監督は、巧みなカメラワークで群馬県高崎市、つまり、ひとつの街を舞台とすることを視覚的に成功し、また、後景に退いた視線を不可視なエキストラとして登場させることによって、巷間というものをアクチュアルに描出した。この堤の手腕が、個と大衆や集団としてのマスの対比に彩りをそえている。個人が深いトラウマを抱えるようになって、反転してしまった不寛容な二人称、無機質な共同体、冷酷な社会に背をそむけずに融和するには、絶妙の距離感と親近性をもつ包帯クラブの活動は癒しと浄化という点で有用であるかもしれない。メンバーの心地よい共感と応援は孤独から解放してくれる。でも、やはり、包帯クラブのメンバーそれぞれが自身の傷に向き合ったマッチョな行動が本作の要諦だ。
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単なる思いやりテーマではない |
表面的には他人の心の痛みを知ること思いやることがテーマの
ように思えるが、中高生が自分の進路を考えるきっかけとして
良い作品だと思う。
職を失った父親、離婚して子どもを育てる母親、バイトしながら
高校へ通う主人公、経済的には恵まれながら既定の路線に疑問を
感じる友達、中卒ではあるものの生きがいをもって働いている
友達、そんな環境で刺激を受けながら考える自分の将来。
友達から届いた手紙をもとに回想する設定になっている小説版を
読めばその点がよりクローズアップされていることが分かります。


